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書誌詳細
加熱調理のシミュレーション : 野菜内部の変化を視覚でとらえる
- 著者名香西みどり著
- 出版者光生館
- 出版年2013.9
貸出・返却・予約状況
- 貸出状況
貸出可能
- 所蔵数1
- 貸出可能数1
- 予約数0
- 貸出累計1
所蔵事項
- 登録番号0070182
- 請求記号596.01//Ka72
- 貸出区分通常
- 蔵書区分図書 - 一般図書
書誌事項
- 書名加熱調理のシミュレーション : 野菜内部の変化を視覚でとらえる
- 書名ヨミカネツチョウリノシミュレーション
- 注記本書の最適加熱時間の予測に直接・間接に関わりのある文献の要約3行版: p143-146
- 目次序章 野菜の調理のシミュレーションに入る前に
1.野菜の調理のシミュレーション対象とするものについて
2.加熱による軟化と硬化
3.野菜の硬さの変化と硬化について
4.余熱利用について
5.本書の構成
第1章 沸騰水加熱時の温度と硬さのシミュレーション
1.野菜の軟化速度は80℃以上で大きくなり,温度が高いほど変化が大きくなる
2.沸騰水にジャガイモを入れたときの中心温度はサイズが大きくなるほどゆっくり上昇し,大きさの二乗倍の時間がかかる
3.ジャガイモを沸騰水で加熱するときの中心部の硬さはサイズが大きいほど硬化の影響が大きい
4.ジャガイモの立方体を沸騰水で加熱するときの最適加熱時間は大きさと一定の関係にある
5.丸ごとから薄切りまで様々な形のジャガイモを沸騰水に入れた場合の中心部の温度変化は大きく異なる
6.丸ごとから薄切りまで様々な形のジャガイモを沸騰水に入れた場合の中心部の硬さ変化は大きく異なる
7.体積一定で様々な形のジャガイモを沸騰水で加熱するときの最適加熱時間は表面積と一定の関係にある
8.ジャガイモの沸騰水加熱において体積一定でも球と平板では加熱時間が違うという関係は,体積が小さいときと大きいときではだいぶ異なる
9.ジャガイモの沸騰水加熱において体積が増加して大きくなったとき,最適加熱時間が変わらない形と変わる形がある
第2章 水温変化も利用した加熱時の温度と硬さのシミュレーション
Ⅰ 水から加熱して沸騰継続により適度な硬さにする場合
1.水から加熱するときは,沸騰までゆっくり加熱するほど,またサイズが大きいほど中心温度の上昇が水温の上昇より遅れる
2.ジャガイモを水から加熱するとき,速く沸騰させるほど沸騰時の中心温度が低いので沸騰継続が必要になる
3.沸点より低い温度を一定に保って加熱すると温度が低いほど硬化の影響が強く,軟化が遅くなるので90℃以上の温度が必要になる
4.沸騰水加熱と急速に沸騰させた場合, 95℃加熱とゆっくり沸騰させた場合は似たような硬さの断面分布で仕上がる
5.水から加熱するときは水温上昇速度が綏やかになるほど中心と外側の温度差が初めから小さい
6.水から加熱するときは水温上昇速度が緩やかになるほど中心と外側の硬さの差が小さく均一になるが,加熱初期に起こる硬化の影響が長く続く
7.沸騰水では体積一定でも形によって温度上昇が異なることの影響が,水から加熱するときには小さくなる
8.複数の野菜を水から加熱するとき,体積一定で同じ形では同時に適切な硬さにならないので形を変えてみる
Ⅱ 水から加熱して沸騰継続させ消火後の余熱を利用する場合
9.水から加熱して沸騰直後に消火したときの水温下降は水量が多いほど緩やかになり,余熱利用時間が長い
10.同じ水量で加熱するとき,水からか沸騰からか,余熱を利用するかしないかをシミュレーションしてみると,余熱利用の影響が大きいことがわかる
11.余熱を利用するかしないかで沸騰継続時間が違うとき,大きさ,野菜の種類によっても沸騰継続時間が違ってくる
12.水から加熱か沸騰からか,余熱を利用するかしないかで,同じ硬さになるまでの消費エネルギーと調理時間がどれくらい違うかをIH調理器で比較する
13.水から加熱して余熱を利用するときは総量が同じでも水の割合が少ないほど消火後の水温下降が速く,沸騰継続を長くしないと適度な硬さにならない
14.水から加熱して余熱を利用するとき,水の割合が少なくてサイズが大きいと沸騰継続時間も長くなり,蒸発量も増えて消費エネルギーが大きくなる
15.水量と鍋の大きさが消火後の水温下降に影響し,同じ水量なら小さい鍋より大きいほうが,また同じ鍋なら多い水量より少ないほうが水温が速く下がる
16.水量と鍋の大きさが消火後の水温下降に影響するが,消費エネルギー,調理時間が増えることに,水量のほうがより大きく影響する
第3章 水温変化に対応した調味と硬さのシミュレーション
Ⅰ 食塩水浸漬時の食塩濃度のシミュレーション
1.調味に関わる拡散係数は温度とともに緩やかに上がる
2.食塩水に野菜を浸漬するときの食塩濃度のシミュレーションでは,全体食塩濃度のほうが中心部食塩濃度よりだいぶ速く増加する
3.食塩水に浸漬するときの中心部と表面部の食塩濃度差は結構大きく,時間とともに小さくはなるが全体として適度な食塩濃度になってもまだ不均一
4.異なる濃度の食塩水に浸漬するとき,試料内の食塩濃度分布は濃い食塩水ほど中心部と表面部の差が大きくなる
5.異なる濃度の食塩水に浸漬するとき,20℃と沸騰状態では同じ濃度になるまでの時間は食塩水濃度が高いほど短く,また沸騰状態では20℃の約一かになる
6.異なる濃度の食塩水に浸漬するとき,試料全体の食塩濃度が適度になるときの試料内食塩濃度分布は食塩水が濃いほど不均一(中心部と表面部の差が大)
7.異なる野菜を20℃で1%食塩水に同じ時間浸漬するときの試料内食塩濃度断面分布は試料によって異なる
8.異なる野菜を沸騰状態で1%食塩水に浸漬するときの試料内食塩濃度断面分布は20℃のときよりやや小さくなる
Ⅱ 調味と硬さのシミュレーション
9.ふろふきダイコンを想定した調味のシミュレーションを行ってみると,ちょうどよく仕上がったときの中心部の食塩濃度は表面部の1/3程度
10.沸騰状態でいろいろな形の野菜を加熱するときは,野菜の種類や形によらず調味時間のほうが軟化時間より長い
11.根菜類を水から加熱して少しだけ沸騰させ,消火後の余熱を利用してちょうどよい硬さと塩味になるようにシミュレーションすることができる
12.水から加熱して余熱利用のときは,軟化時間と調味時間の大小関係は野菜の大きさと種類で違ってくる
13.根菜類を水から加熱して沸騰直後に消火し,余熱を利用するだけで硬さも調味もちょうどよくなる条件
第4章 温度・硬さ・調味のシミュレーションができるまで
1.調理過程の予測
2.加熱による野菜の軟化に着目
①ジャガイモの加熱による軟化
②軟化は一次反応
③軟化の速度定数の温度依存性(アレニウスの式)
3.温度の予測
①熱伝導微分方程式
②熱伝導微分方程式の解
4.硬さの予測
①実際の硬さの予測には硬化と軟化の両方が必要
②硬化と軟化の原因
③硬化と軟化を表現するモデル
④硬さの予測式ができるまで
5.硬さの予測式を使った予測と実験値の比較
6.ペクチンモデルの役割
7.ふたたび温度の予測―差分法-
8.官能評価で適度な状態を決めないと最適加熱時間の予測ができない
9.調味するときは必ず加熱か,それ相当の操作を伴う
10.調味の予測
①食塩濃度の予測には拡散係数が必要
②食塩濃度の予測
11.適度な塩味と感じるときの試料断面の塩分濃度分布を調べる
12.最適調理条件を予測するためのプロセス
・文中に出てくる図表
・文中に出てくる式
・文中に出てくる記号(アルファベット)
役に立つ身近なシミュレーション
1.お湯の温度の下がり方のシミュレーション(香西みどり)
2.茶柱が立つときのシミュレーション(永田裕作)
3.コーヒーに入れるクリームの広がり方のシミュレーション(桑名杏奈)
4.台所で換気扇をつけるときのシミュレーション(桑名杏奈)
5.撹拌のシミュレーション(桑名杏奈・段家加生里)
本書の最適加熱時間の予測に直接・問接に関わりのある文献の要約3行版
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