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書誌詳細
両義性の発達心理学 : 養育・保育・障害児教育と原初的コミュニケーション
- 著者名鯨岡峻著
- 出版者ミネルヴァ書房
- 出版年1998.7
貸出・返却・予約状況
- 貸出状況
貸出可能
- 所蔵数1
- 貸出可能数1
- 予約数0
- 貸出累計1
所蔵事項
- 登録番号0049434
- 請求記号P 037//Ku25
- 貸出区分通常
- 蔵書区分図書 - 一般図書
- 所蔵館本館
- 配架場所
幼児教育
- 所蔵状態所蔵点検済
書誌事項
- 書名両義性の発達心理学 : 養育・保育・障害児教育と原初的コミュニケーション
- 書名ヨミリョウギセイノハッタツシンリガク
- 出版地京都
- 出版者ミネルヴァ書房
- 出版年1998.7
- 件名幼児
コミュニケーション
発達心理学
幼児
コミュニケーション
- 内容まえがき
第1章 両義性の発達心理学を目指して
はじめに
第1節 人間存在の抱える根源的両義性=自他の共軛性
(1)他者の中に投げ出されていることと,自己に収斂すること
(2)繋合希求性と自己充実欲求の重なり・矛盾・捻じれ
〈繋合希求性に含まれる両義性〉
〈自己充実欲求の両義性〉
〈繋合希求性の捻じれ〉
〈自己充実欲求の捻じれ〉
〈養育者の対応の捻じれ〉
〈捻じれに関わる病理〉
(3)具体的他者から不可視の「他者」へ
第2節 子どもと養育者の存在両義性
(1)子どもの存在両義性
(2)大人=養育者の存在両義性
〈自分の親への同一化と反同一化〉
〈子どもへの同一化と反同一化〉
〈社会通念としての養育動向への同調と非同調〉
第3節 生きられる両義性
(1)「映し合う鏡」の比喩
(2)映し合う
(3)子ども一養育者の非対称性
〈未熟さを挟んだ映し合いの非対称性〉
〈被養育経験の厚みの非対等性〉
〈文化化された経験の厚みの非対等性〉
第4節 生きられる両義性のなりゆき
(1)対人関係の拡がりの中での映し合い
(2)受け止め,抱える構え
第5節 関係発達論素描
(1)子どもは両親の欲望の場の中に生まれ落ちる
(2)一人の人間の生涯過程は巨視的には種の再生産過程である
(3)「育てられる者が育てる者になる」という不思議
(4)世代間リサイクルの射程
(5)関係発達論の概念図
(6)生涯発達論の展望
第6節 エピソード記述の諸問題
(1)関係発達論の方法論としての参加観察
(関与しながらの観察)
(2)エピソード記述の具体例
〈エピソード:缶のフタ,見つけた〉
第1次メタ観察
第2次メタ観察
〈第1次メタ観察について〉
〈第2次メタ観察について〉
(3)観察から記録へ,そしてエピソード記述へ
(エピソード記述の楽屋裏)
1)第1段階の記録:出来事の客観的な概要の記録
2)第2段階の記録:印象深い出来事の記録(間主観的に把握したものを含む)
3)読み手に提示するエピソード記述
〈第3者に分かる詳述性〉
〈第2次加工の可能性と不可避性〉
4)エピソードの提示とメタ観察の提示
〈再度,第1次メタ観察について〉
〈再度,第2次メタ観察について〉
5)エピソードの重ね合わせと事例の重ね合わせ
(4)出会われることと抉り取ることとの狭間で
第2章 養育の場の両義性と原初的コミュニケーション
はじめに
第1節 養育者の指示が分かるようになってくる
〈エピソード1:じゃじゃまる君にバナナ食べさせて〉
〈エピソード2:ワンワンはどこかな?〉
〈エピソード3:それナイナイして〉119
〈エピソード4:Hちゃんにも飲ませてあげて〉
第2節 自分の意図を表現する力の向上 126
〈エピソード5:これ,お母さんが抱っこして〉
〈エピソード6:ピョンキチ君にもオムツして〉
〈エピソード7 :Hちゃんも一緒においで〉
〈エピソード8:おせんべいがほしい〉
第3節 相互的な遊びの成り立ち
〈エピソード9:椅子をカタカタさせて遊ぶ〉
〈エピソード10 : トンネルを潜って遊ぼう〉
〈エピソード11:一緒にくるくる回ろう〉
〈エピソード12 : 自動車での追いかけっこ〉
第4節 養育者による制止ゃ禁止の始まり
〈エピソード13 : どうして,そうするの!〉
〈エピソード14 : ベランダから落としちゃダメ!〉
〈エピソード15 : メッ! 痛いでしょ!〉
〈エピソード16:Hちゃんに,ありがとうは?〉
第5節 養育者による子どもの情動調律
〈エピソード17 : ゼリーを自分で食べたい〉
〈エピソード18 : ビスケットが欲しい〉
〈エピソード19 : ぺちゃぺちゃして遊びたい!〉
第6節 これまでの諸節の簡単なまとめ
(1)原初的コミュニケーションの深化
(2)主体としての輪郭の際立ち
(3)触れられなかった問題
第3章 保育の場の両義性と原初的コミュニケーション
はじめに
第1節 保育の場における両義性
(1)認め・支えること,教え・導くことの両義性
〈いまを認め,支えること〉
〈将来のために教え・導くこと〉
<二つの側面の対立と矛盾=保育の場の両義性〉
〈エピソード1:虹ができた!〉
(2)個と集団のあいだの両義性
〈子どもにとっての集団の両義性〉
〈集団斉一性の圧力の両義性〉
〈映し合いの場の両義性〉
〈エピソード2:さあ,プールですよ〉
第2節 遊ぶことの楽しさと,認められて嬉しいこととのあいだ
(1)保育における遊びの意味 〈二つの簡単なエピソード〉
〈遊ぶことの意味=充実感を感じること〉
〈閉じた充実感から開かれた充実感へ:遊びの両義性〉
〈子どもの自発的な遊びと保育者の映し返し〉
(2)認めることの力
〈エピソード3:雨上がりの水たまり〉
(3)「認められたい」と「認める」のずれ
〈エピソード4:ボクはトランスフォーマーだ〉
第3節 保育者の認め・支えること、教え・導くことのバランス
(1)してよいことと悪いことの分別
〈エピソード5:Kちゃんが取った!〉
(2)保育者の願いから出る指導と,子どもの思いのずれ
〈エピソード6:鯉のぼり作り〉
第4節 発達に躓く子どもと保育者のコミュニケーション
(1)保育における「気になる子ども」
〈エピソード7:みんなの流れに乗ることのできないH〉
(2)規範遵守の指導と一Λの子どもの受容との対立:統合保育の難しさ
〈エピソードS:どうしてSちゃんはいいの?〉
(3)お互いを認め合う中での統合保育
〈エピソード9:みんなの中のK太君〉
第4章 障害児の育つ場の両義性と原初的コミュニケーション
はじめに
第1節 障害児の育つ場の両義性
(1)発達促進に主眼を置く治療教育的な立場(考え方)
(2)障害をありのままに受け入れる立場(考え方)
(3)二つの立場を二者択一的に捉えることからくる混乱
(4)「子ども一人一人」と「みな一緒に」の両義性
第2節 コミュニケーションの「障害」をどう考えるか
(1)コミュニケーションの「障害」の問題に取り組むまで
(2)コミュニケーションの「障害」とコミュニケーション機能の障害
(S)関係論的見方からするコミュニケーションの「障害」
(4)コミュニケーションの「障害」を低減する方途
(5)コミュニケーションの「障害」と自己疎外の問題
第3節 養護学校における子ども一教師のあいだの原初的
コミュニケーション
(1)重度肢体不自由児のΛ君とN先生の関わり合い
〈背景〉
〈A君を理解する窓口としての「抱っこ」〉
〈A君に現れてきた変化とN先生の対応の変化〉
〈関係を動かしてい〈肯定的な経験〉
〈母親の回想:出産から現在までを振り返って〉
〈子どもを抱えることの難しさ〉
(2)肢体に不自由のあるT君とS先生の原初的コミュニケーション
〈子どもの表現する力とそれを読み取る教師の力〉
〈T君とS先生のコミュニケーションの場面〉
〈この事例の考察〉
(3) M子さんの食事場面とK先生との原初的コミュニケーション
第4節 療育の場における子ども,保護者,療育者
(1)コミュニケーションの取りにくいA子の事例
〈背景〉
〈初回面接の概要〉
〈その後の数回のセッションの中でのA子ちゃんの様子〉
〈周囲のAたちの受け止め方〉
〈指導の方針とその経過〉
〈その後〉
第5節 障害の受容という問題
注
あとがきと謝辞
索 引