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書誌詳細

外国人の子どもの保育 : 親たちの要望と保育者の対応の実態

  • 著者名大場幸夫 [ほか]著
  • 出版者萌文書林
  • 出版年1998.6

貸出・返却・予約状況

  • 貸出状況 貸出可能

  • 所蔵数1
  • 貸出可能数1
  • 予約数0
  • 貸出累計2

所蔵事項

  • 登録番号0049183
  • 請求記号P 024//G 14
  • 貸出区分通常
  • 蔵書区分図書 - 一般図書
  • 所蔵館本館
  • 配架場所 幼児教育
  • Map
  • 所蔵状態所蔵点検済

書誌事項

  • 書名外国人の子どもの保育 : 親たちの要望と保育者の対応の実態
  • 書名ヨミファイコクジンノコドモノホイク
  • 著者名大場幸夫 [ほか]著
  • ISBN4893470531
  • 出版者萌文書林
  • 出版年1998.6
  • ページ253p
  • サイズ21cm
  • 件名保育/外国人(日本在留)
  • 目次1章 外国人の親が日本の保育に求めるもの―インタビューを通して
    §1 インタビュー:親たちの思い
     1韓国・中国の母親とのインタビュー
      ■韓国語はつかわない。だって,うちの主人と主人の親は,ここで生まれた人なんで。
      ■あと,30分遅くまで,保育園があいているといいなー。
      ■子どもが病気したとき,もう,大変だった。一育児経験はないし,近所の人としゃべれないし。
      ■こまめに着替えさせるんで,びっくり。経済的にも負担が大きくなって。
      ■困ったのは,“裸足'‥‘薄着"。風邪ひきそうで,不安で。
      ■子どもに母国語は教えておきたい。
      ■中国では子どもが病気になると保育園でなおす。日本は,すぐ,“おかあさん/"。
      ■今,いちぱん不安なのぱいじめ"。-だから,お父さんはケンカを勉強させろと。
      ■ 中国の母親とのインタビュー
      ■やっぱり言葉の問題などで友達もなかなかできないですか。「そうなんです。」
      ■平仮名だったらわからなくて。漢字が混じっていればだいたい意味がわかるんですけど。
      ■お兄ちゃんはみんな日本語でしゃべって。だから親が日本語
    2覚えちゃう。日本語学校全然行ってないのに。
     ■中国語も読めて,日本語も読めて書けて,両方できるといい。
     ■ちょっと言葉がわからなかったから,紙に書いたら,それでだんだんわかってくれて。
    3 台湾の母親とのインタビュー
     ■台湾では,共働きが多いので,夜遅くまで働いても,お迎えの悩みとかあまり聞いてないです。それが,日本では。
     ■保育園は不親切と誤解されてるから,もっとコミュニケーションすればいいと思う。
     ■入園のときにシーツ縫ったり,袋縫ったり。ほんとに頭が痛いことです。
    4 タイの母親とのインタビュー
     ■もう少し日本に残りたい。子どもにいろいろ勉強させてから行きたいと思います。
     ■あいさつしても知らん顔されたこともありました。私が外国人だからですか?
     ■タイの幼稚園には,砂場はないんです。
     ■教えたらいいなと思うのは,英語とか文字。考え方ちょっと違うかもしれないけれど。
     ■子どもになってほしいのは,国際的な人ですね。
     ■誕生カード全部とってある。とても感謝してるんです。
     ■今は心配ないけど,小学校に行ったらちょっと心配。
     ■ほんとは,預けたくないんです。
    5パキスタンの父親とのインタビュー
     ■映画で見たサンシャインビルなんかに憧れて,11年前に来日。
     ■イスラム教の子どもの場合には,食べ物のことが一番問題。
     ■保育園があるってことを一年間も知らないで過ごした。
     ■先生にはわるいけど,子どもにキスとかはしてほしくない。豚肉食べてるから。
     ■行事は,土,日にやってほしい。平日だと,仕事休んで行くのむずかしいから。
     ■保育園でも英語やってくれるといい。これからの時代,2~3か国語くらいはできないと,ついていけないと思う。
     ■長く日本にいるけど,日本の文化わからない。日本人は冷たいというか,人間に愛情がないみたい。
     ■日本は夫婦で慟かないとやっていけない国だから,もっと子育てのサポートを社会全体で考えてほしい。会社も行政の窓口も。
     ■あっ,思い出した。保父さんが子どものお尻拭くのだけはやめてほしい。イスラム教では,絶対,だめですが
    6 ブラジルの母親とのインタビュー
     ■祖父や父の話で,一度,日本に来てみたいと思っていたので
     ■人材派遣会社の人たちが,保育園もさがしてくれました。
     ■入園のとき,とても緊張しました。紙に書いてあることがわからなくて。
     ■シーツだって雑巾だって,準備が間に合わない事情のある人には,保育園のものを貸してあげればよかったわけですよね。
     ■日本の保育園のほうが優れています。とくに先生は,みんな熱心で,優しく,誠意があります。
     ■ちょっと驚いたのは,父から聞いた昔の日本人とは今の日本人は相当違っていたことです。
     ■Kはいま8歳ですが,日本でのこの時期のことは,必ず良い思い出として残ると思います。
     ■日本の保育園を利用することを勧められますか?
    7 オーストラリアの母親とのインタビュー
     ■5人くらいのプレイグループで,いつも水曜日の3時から6時までいっしょにいます。外国人のお母さん5人と。
    8 フランスの母親とのインタビュー
     ■外国の人はフラストレーションが多い。はじめの問題は,「書類」の問題。書くこと,漢字,これが問題。
      ■話すときは,誤解が多い。保育園の先生何か言った? わからない。
      ■日本の教育はがまんしたら強くなる。フランスの意見は全然違う。
      ■フランスは,先生の数が少ない。その上,先生そんなに真面目じゃない。
      ■欧米人の子は体温が高い。だから熱の問題は,問題!
      ■家庭訪問は,フランスでは絶対だめ! プライヴァシーがあるから。
      ■日本の先生,男の子と女の子を分ける。フランス人は分けない。
      ■小さい緊張と問題があっても,保育園と日本のおかげで,私の子は素晴らしいスタートを切った。
    §2 相互理解を深めるために:インタビューから学ぶこと
     1.保育者への信頼感
     2.保育所からの要求に苦戦する親たち
     3.家庭訪問への不評
     4.子どもが親と園とを結ぶ役割を果たすこと
     5.日本に滞在する見通しの違い
     6.プライヴァシーヘの感覚
     7.国なのか個人なのか
     8.“外国人”であることのフラストレーション
    2章 保育実践のなかでの問題とその対応の実例―保育者の手記・実践レポートから
    【手記①】日本語が通じないAちゃんを迎えて
      ■日本語がまったく通じないAちゃん(3歳児)
      ■Aちゃんの“困った顔”が消えるまで
      ■人間関係をつくる
      ■保護者との関係づくり
     <コメント①〉 ニューカマーへのコミュニケーションの技法●「乳児保育」と「特別保育」●
    【手記②】モハメット君がやってきた
      ■「ウワー,どうしよう。イスラム語なんてわからない。!!」
      ■モハメット君が登園!6人の大人を引き連れて
      ■予防注射に大騒ぎ。
      ■触れ合ってわかる? 他国の生活文化
      ■モハメット君の,オキュツショク,お弁当
      ■モハメット君も,子どもたちも,学んだこと
     〈コメント②〉おおらかで包容力のあふれた人柄が生みだした“のびのび対応”
    【手記③】“違うことは豊かなこどを教えてくれた,バングラデシュの姉妹との出会い
      ■外国の子どもとの生活は,21世紀を担う子どもたちにとって願ってもない機会
      ■生活習慣の違う彼らの文化について学ぶ取り組み
      ■表面的に流されていた,私たちの触れ合い
      ■実体験した異文化一家庭訪問・国際交流会
      ■小学校就学を断念し,家庭でイスラム教育
      ■果たしていきたい保育者としての役割
     〈コメント③〉“借り物的理解”を昇華させた「異文化体験」‥
    【手記④】受け入れをきっかけに学んだ国際交流の楽しさ
      ■不安で,目の前が真っ暗に。
      ■英会話教室に通い始め,TV番組を録画し。
      ■受け入れは,担任だけでなく全職員にかかわる問題
      ■個人懇談を通してわかったM君一家の考え方
      ■お互いの違いを理解し,尊重した上での保育を
      ■言葉が通じ合うことの喜び
     〈コメント④〉共存という大きな課題への小さな始まり
    【実践レポート】フィリピンのM子ちゃんとの2年間一夫婦の異文化間問題に悩む親子への対応一
      [1]順調なスタート―明るく元気なM子一
      [2]突然の長欠一友達関係の変化一
      [3]年長組になったM子一自信も戻って一
      [4]再びの長欠一両親に振り回されるM子一
      匯]帰ってきたM子-M子の心を支えるかかわりをー
     〈コメント〉子どもへの援助は家族への援助
           ●国際結婚の家族を支えた保育者の思い●
    3章 保育の国際化の現状・課題と今後の展望
    §1 わが国の保育の「国際化」の現状
     1.「国際化」社会 
     2.外国人の増加
     3.国際化と保育
     4.保育の国際化と保育行政
    §2 国際化と保育実践研究
     1.克明に状況を描き出すことの意味
      (I)出来事の記述が問題を立ち上げさせる 
      (2)ときには,冷静に結果を振り返る余裕さえなく
      (3)出会いから何を学ぶのか
     2.“図”としての保育の国際化
      田園生活の日常性が問われる 
      (2)見えない仕切り 
      (3)“出身国"の文化を学ぶ 
      (4)経験則への寄りかかり 
      (5)“自国"をもつことの大切さ 
     3.違和感の功罪
      (1)異文化適応のパターンが異なるということの意味について
      (2)保育者の常識と親の常識とのズレ 
      (3)“場になじむ"ということ自体の問題性を考える
      (4)保育者の気づかなさぱ配慮の装い"か,それとも“無自覚ざか
     4.実践の共同体
      (1)“適応"への関心は,“共存"の問題を掘り起こせるか 
      (2)保育者と研究者には実践の共同体を創生する課題がある 
      (3)多元的な視点とは 
      (4)当面する課題:「共生」か「同化」か
      〈文献リスト〉
    §3 保育の国際化の現状と課題―今までどうであったか,これからどうするかー
    §4「外国人の子どもの保育」の課題と展望
    I.「外国人の子どもの保育」の課題
      1.外国人の親が困っていること
       (1)病気に関すること
       (2)生活習慣の違いから起こること 
       (3)言葉,文字に関すること 
       (4)保育所への持ち物,入園の準備について
       (5)宗教上の問題
      2.受け入れ側の気持ちと考え方