友だち地獄 : 「空気を読む」世代のサバイバル
- 著者名土井隆義著
- 出版者筑摩書房
- 出版年2008.3
貸出・返却・予約状況
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所蔵事項
書評
中西真先生の推薦資料です
- 記入者
- 記入日2014年05月27日
書誌事項
- 書名友だち地獄 : 「空気を読む」世代のサバイバル
- 書名ヨミトモダチジゴク
- 著者名土井隆義著
- 著者ヨミドイ,タカヨシ
- 叢書名ちくま新書
- 叢書番号710
- ISBN9784480064165
- 出版地東京
- 出版者筑摩書房
- 出版年2008.3
- ページ235p
- サイズ18cm
- 件名青少年問題
人間関係
青少年
コミュニケーション
携帯電話
- 内容はじめに
『野ブタ。をプロデュース』の世界/教室はまるで地雷原/本書の構成
第1章 いじめを生み出す「優しい関係」
繊細な気配りを示す若者たち/友だちとの衝突を避けるテクニック/立場が入れ替わりやすい現代のいじめ/消えた観客層の生徒たち/無関心層の自覚されざる利得/浸透していく「優しい関係」の重圧/いじめを遊びのモードで覆う理由/つながりあうネタとしての少年犯罪/個性化教育の意図せざる結果/「大きな生徒」となった教師/若者はなぜ「むかつく」のか/「優しい関係」を傷つける「KYさん」/見当違いな「規律の乱れ」言説
第2章 リストカット少女の「痛み」の系譜
高野悦子と南条あやの青春日記/自分と対話する手段としての日記/ウェブ日記を書く若者たちの心理/自分をつなぎとめる思想と身体/若者の対抗文化と世代闘争の消失/抽象的な他者と具体的な他者/それぞれの自傷行為が語るもの/「変わりゆく私」から「変わらない私」へ/人間関係における二つの息苦しさ/「自律したい私」から「承認されたい私」へ/束縛感と浮遊感をめぐる生きづらさ/日記に書き込まれた「本当の自分」/「より望ましい自分」をめぐる格闘
第3章 ひきこもりとケータイ小説のあいだ
「自分の地獄」という悪夢/「優しい関係」という大きな壁/コミュニケーションへの過剰な圧力/脱社会的な純愛物語の大流行/純度100パーセントを願う若者たち/生まれもった純粋さへの憧れ/「善いこと」から「いい感じ」へ/「純粋な自分」というパラドクス/「分かりあえない」を前提とした関係/遮断されるコミュニケーション回路/「まなざしの地獄」の新たな位相/まなざしの不満、まなざしの不安/自分を見つめてほしい若者たち
第4章 ケータイによる自己ナビゲーション
ケータイはもはや電話機ではない/「ふれあい」のためのメディア/触覚器官としてのケータイ端末/身体性を強調するコミュニケーション/リセット可能なネット上の関係/ケータイ・メールによる地元つながり/自己認識のための常時接続ツール/不安の強さが生み出す過剰反応/「優しい関係」に孕まれたジレンマ/ジレンマを克服するケータイ空間/メールでつながる「本音の関係」/自己承認をケータイする若者たち/プロフという自己紹介サイト
第5章 ネット自殺のねじれたリアリティ
ネット集団自殺がみせる不可解さ/現実世界のリアリティの希薄さ/相対化の時代の絶対的な拠り所/死のイメージをまとうゴスロリ少女/現実回帰のためのトラウマ物語/人間関係の多元化とリアリティの喪失/市場化するコミュニケーション能力/リアリティの確保をめざした内閉化/現実らしさを阻害する「優しい関係」/自己期待値の高さと自己肯定感の脆さ/自殺衝動でつながった高純度の関係/「スタジオの観客」と「泣き女」/現実世界とネット世界の融合/ネット空間へ染み出す「優しい関係」
おわりに
「自分らしさの檻」からの脱出へ/生きづらさと正面から向きあう/比類なき「優しい」人びとの時代