内容Ⅰ認知症の診断 ?在宅の現場でどのようなときに疑うのか? 1 アルツハイマー病と血管性認知症の診断 A 認知症を呈する疾患 B 認知症を疑う症状・どのようなときに認知症を疑うか a. 記憶障害 b. 見当識障害 c. 実行(遂行)機能の障害 d. 妄想 e. 不眠 f. アルツハイマー病にみられやすい症状 C どのような検査を行うべきか D 専門医への紹介 2 レビー小体型認知症の臨床像と診断 A レビー小体型認知症とはどのような病気か B 本症を鑑別しなければならない3つの理由 a. 中心症状 b. 3つの中核症状 c. 3つの示唆的特徴 d. 支持的特徴 C 診断の要点 a. 問診のポイント b. 診察のポイント c. 検査のポイント D 画像診断 a. MRI b. 脳血流SPECT c. MIBG心筋シンチ E 塩酸ドネペジルによる治療 Column レビー小体型認知症の介護上の注意点 3 前頭側頭型認知症の臨床像と診断 A 臨床症状・診断基準 B 画像診断 C 治療・介護 4 軽度認知障害(MCI)の診断と予後 A 軽度認知障害の概念 B 軽度認知障害の疫学 a. 有病率 b. 発症率 c. リバート率 d. コンバート率 C 軽度認知障害の診断 a. 軽度認知障害の診断方法 b. 軽度認知障害の補助的診断法 c. 軽度認知障害の予後 D 治療 a. 身体疾患への注目 b. 食品 c. 一般薬 d. アルツハイマー病治療薬 5 認知症とうつ病の鑑別診断 A 老年期うつ病の臨床的特徴 a. 心気傾向 b. 不安・焦燥 c. せん妄 d. 妄想 e. 仮性認知症 B 認知症と老年期うつ病の鑑別 C 認知症とうつ病との関連 a. 認知症の危険因子としてのうつ病 b. 認知症の危険因子としての仮性認知症 D 専門医との連携 6 認知症と老年精神病の区別 A 多彩な老年期の幻覚妄想状態 B 老年精神病とは C 老年期特有の幻覚妄想状態 a. 物盗られ妄想 b. 嫉妬妄想 c. 家族否認や人物誤認など d. 共同体被害妄想 e. 皮膚寄生虫妄想・慢性体感幻覚症など f. 幻の同居人・接触欠損妄想 g. コタール症候群 7 認知症の補助診断 A 診断過程 B 神経心理検査 C 画像診断 D 血液検査 II 認知症の治療と予防 8 認知症の方の在宅医療の留意点 A 認知症の方の在宅医療のとらえ方 B 専門医療への受診の工夫 C 認知症に対する理解 a. 第1法則:記憶障害に関する法則 b. 第2法則:症状の出現強度に関する法則 c. 第3法則:自己有利の法則 d. 第4法則:まだら症状の法則 e. 第5法則:感情残像の法則 f. 第6法則:こだわりの法則 g. 第7法則:作用・反作用の法則 h. 第8法則:症状の了解可能性に関する法則 i. 第9法則:衰弱の進行に関する法則 j. 介護に関する原則 D 介護者の心理的なハードルとそれに対する援助 E 一人暮らしの認知症の方の地域ケア F 増えている「認認介護」 G 認知症のターミナルケアについて 9 認知症の薬物療法 A 認知症症状の分類 B 意識障害 C 標的症状 D 抑制系薬剤を介護者が調整する E 抗うつ薬の扱い F アルツハイマー病をみつける G レビー小体型認知症をみつける H ピック病 a. 前頭側頭型認知症 陽性タイプ b. 前頭側頭型認知症 陰性タイプ I 石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病 J クロイツフェルト・ヤコブ病 K 「血管因子」の制御 L 適応症と塩酸ドネペジル用量の問題点 10 認知症のBPSDへの対応 A 認知症とBPSDに関する基礎知識 a. 中核症状とBPSDとの区別 b. BPSDへの医療介入を行ううえでの視点 c. 認知症に対する医療,介護介入における新たな視点の導入 B BPSD増悪に伏在するせん妄 C BPSDに対する薬ギャップの現状 D BPSDへの薬物療法の前にすべきこと a. 認知症高齢者の服薬行動の特徴 b. 全身状態の精査ならびにすべての薬剤のチェック c. 見落とされやすい認知症 d. 「疾患情報」と「生活情報」 e. 認知症とBPSDのアセスメント f. 薬剤モニタリング体制の構築 E BPSDへの薬物療法の各論 a. 睡眠薬に対する一般的注意点 b. 抗精神病薬に対する一般的注意点 c. 抗パーキンソン薬に対する一般的注意点 d. 抗てんかん薬に対する一般的注意点 11 認知症の方の緩和ケア A 認知症の重度,末期の定義 B 意思決定の支援 C 認知症患者の末期の苦痛と緩和ケア a. 認知症末期の状態像 b. 認知症重度,末期の苦痛 c. 苦痛の評価 d. 原因の評価 e. 苦痛緩和の方法 f. グリーフケア D 早期からの緩和ケア a. 言語化されたスピリチュアル・ペイン b. スピリチュアル・ペインとしてのBPSD E 認知症の緩和ケアと長期ケア 12 認知症の非薬物療法 A 認知症の回想法の実際 a. 高齢者と想い出 b. 回想法とは c. 回想法の実際 d. 在宅医療における回想法の応用 e. 回想法における認知症患者との会話の留意点 B 認知症の方のリハビリテーション a. 認知症のリハビリテーション b. もの忘れ防止教室での認知リハビリテーション c. 認知症の総合ケア C 音楽療法 a. 音楽と音楽療法 b. 音楽療法の効用と対象者 c. 評価が大切 d. 認知症に対する音楽療法 e. セッションの実際とそのコツ D 玩具療法 a. 玩具療法の検証 b. 認知症高齢者に対する玩具療法の効果 c. 研究・分析の結果 d. 玩具療法に使用する玩具の説明 E 芸術療法 a. 芸術療法とは b. 芸術療法の具体的な方法 13 認知症の予防 A 認知症の予防とは B アルツハイマー病の予防に有効な薬剤 a. 非ステロイド系抗炎症薬 b. コレステロールとスタチン c. 降圧薬 d. 開発中のβタンパク蓄積防止薬剤やワクチン e. タウタンパクの重合阻害薬 C 認知症予防のライフスタイル a. 運動 b. 食事 III 認知症の方をとりまく環境と社会資源利用 14 在宅医療におけるかかりつけ医の心得 A かかりつけ医の重要性 B 初回診察の仕方 a. 家族だけの相談 b. 本人も受診した場合 C 認知症の症状・問題行動への対応 D 介護家族への対応 15 認知症高齢者グループホームへの訪問診療の留意点 A グループホームについて a. グループホームとは b. グループホームの変わりつつある現状と課題 B グループホームへの訪問診療 a. 協力医=かかりつけ医としての訪問診療 b. かかりつけ医としての訪問診療 c. グループホーム訪問診療の留意点 16 認知症患者のデイサービス―「もの忘れカフェ」の試みから考える A もの忘れクリニックの外来での取り組みについて a. 外来診療 b. 病名告知 c. デイサービス導入前に行われる外来心理教育 B もの忘れクリニックでの認知症専用デイサービス a. 認知症専用デイサービスの変遷 b. 認知症専用デイサービスの現在 c. 若年・軽度認知症患者のための自立型デイサービス 「もの忘れカフェ」 d. 中等度認知症患者のための「もの忘れカフェ」の新たな展開 e. 重度化した認知症患者へのケアについて f. BPSDが目立つようになった認知症患者へのケアについて 17 認知症の方の底力を地域に生かす A 認知症高齢者の役割づくり B 具体例 a. 「かまど」でのごはん炊き b. 家事 c. 生き物の世話 d. 子どもの「しつけ」 e. 青少年の育成と犯罪者の更生 f. パトロール g.整理・整頓 18 認知症の方のケアプラン A 認知症の方のケアプラン B 介護保険サービス利用の基準 C 介護保険以外のサービスの利用 D 支援方法の考え方と活用の考え方 E 訪問医とケアマネジャーとの連携のポイント 19 認知症の方の家族の気持ちとその対応 A 認知症の方を介護する家族の気持ち a. 母の介護から「家族の会」へ b. 家族の会の活動 c. 家族の気持ち B 「介護の達人」から C 家族たちが望む医師の対応 20~まちで,みんなで認知症をつつむ~大牟田市地域認知症ケアコミュニティ推進事業 A 認知症ケア研究会の発足 B 地域認知症ケアコミュニティ推進事業 a. 認知症コーディネーターの養成 b. 認知症の早期発見・予防のためのもの忘れ相談検診 c. 認知症予防教室「ほのぼの会」 d. 教育現場と一体となった絵本教室 e. ほっと安心(徘徊)ネットワーク f. その他の取り組み C 認知症の人を地域ぐるみで支えるビジョン 21 認知症の方の虐待防止と権利擁護 A 高齢者虐待の概念 a. この概念分類は認識ツールである b. グレーゾーンという認識 B 虐待事例援助の基本的手法 a. 加害者支援 b. 多職種連携による対応の重要性 C 高齢者虐待防止法 a. 高齢者虐待防止法とは b. 通報義務 D 虐待の背景を洞察する a. 介護問題の深刻さへの理解 b. 家族の歴史への認識 c. 家族の回復プロセスに注目する d. 家族らによる金銭の流用 e. 社会的に自立しない子どもによる金銭などの請求行為 f. 第三者による経済的虐待 E 「見守り」と「イベントへの迅速な対応準備」 a. 困難ケースの見守り b. 分離 F 制度度活 a. 生活保護制度 b. 成年後見制度 c. 長期生活支援資金貸付制度 22 成年後見制度について A 新しい成年後見制度とは B 従来の制度の問題点 a. 戸籍記載 b. 鑑定費用と時間 c. 後見人の確保の困難さ d. 硬直的な二元的制度 e. 本人保護の視点の欠如 C 成年後見制度の役割 a. 財産管理と身上監護 b. 法定後見と任意後見 D 成年後見制度導入の背景 a. 日本社会の高齢化 b. 「措置制度」から「契約」へ E わが国の成年後見制度 a. 任意後見制度 b. 法定後見制度 c. 身上配慮義務 d. 医療行為の決定・同意 e. 認知症患者と車の運転 F 新しい受け皿 a. リーガルサポート b. 横浜生活あんしんセンター G 今後の展望 Column 成年後見制度申立てまでの経緯 23 センター方式を用いた認知症ケア A センター方式の特徴 a. 「5つの視点」 b. 「私」を主語にする c. アセスメントの情報源を明確にする B センター方式シートの全体構成 C 効果を出せたシートの用い方 D 利用方法 24 認知症の方と小規模多機能型居宅介護 A 小規模多機能型居宅介護とは何か a. 宅老所がモデル b. 地域で暮らすための切り札 B 小規模多機能型居宅介護の実際 C これからの認知症介護 付録 巻末表 巻末表1. Mini-Mental State Examination(MMSE) 巻末表2. 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R) 巻末表3. Functional Assessment Staging(FAST) 索引