| タイトル | 著者 | ページ |
| はじめに | | |
| 第1章 刑法学の世界 | | |
| 1 なぜルールが存在するのか | | |
| 「ルールのない社会」は「とかく住みにくい」/礼儀やエチケットに反する行為の場合/人に金を借りたのに返さなかったらどうなるのか/人の物を盗ったらどうなるのか/人を殺してはいけないのは「殺人罪があるから」ではない/刑法によって守られるものは何なのか/刑法は被害者を守るためのものではない/行為と刑罰の関係を考える学問 | | |
| 2 刑罰は何を目的としているのか | | |
| 3つの段階-法定刑・処断刑・宣告刑/日本の刑法は刑罰の幅が広い/「廊下に立たされる罰」から刑罰を考える/「刑罰とは何か」をめぐる考え方/刑罰は個人と共同体のコミュニケーションのためにある | | |
| 3 量刑に至る「長く曲がりくねった道」 | | |
| 第1関門:犯罪行為/第2関門:刑事責任 | | |
| 第2章 犯罪論の世界 | | |
| 1 犯罪とはどのような行為なのか | | |
| ドストエフスキーの『罪と罰』/刑法学はまず行為を問題とする/罪刑法定主義という大原則/犯罪か、犯罪以外か/犯罪であると判断するプロセス | | |
| 2 犯罪の成立はどのように判断するのか | | |
| 甲の行為のゆくえ/法律なければ犯罪なし、法律なければ刑罰なし/犯罪成立の判断順序/刑罰に値する行為なのかどうか | | |
| 3 犯罪の要件を吟味する | | |
| まず「犯罪の型」ありき/「やったこと」による犯罪/「やらないこと」による犯罪とは?/行為と結果との因果関係とは/危険の現実化 | | |
| 4 「わざと」と「うっかり」 | | |
| 故意とはどんなものかしら/未必の故意/故意を否定する錯誤がある/過失犯の構造 | | |
| 5 犯罪が未完成のとき | | |
| 未遂犯/不能犯/中止犯 | | |
| 6 犯罪に複数の者が関与するとき | | |
| 間接正犯/共同正犯 | | |
| 7 犯罪が犯罪ではなくなるとき | | |
| 違法阻却/正当防衛/防衛行為をやりすぎると/緊急避難/被害者の同意があるとき/責任なければ刑罰なし/責任能力とは何か/刑事責任を負わない年齢/自分の行為は許されると誤解したとき/適法行為をすることが期待できないとき | | |
| 8 犯罪の数の数え方 | | |
| 1人の人を複数箇所傷つけたら罪は何個?/複数の犯罪を1個の犯罪であるかのように刑を科すとき/数個の罪を一括処理する場合/新潟監禁事件で議論されたこと | | |
| 第3章 処遇論の世界 | | |
| 1 刑法が前提にしている人間像 | | |
| 人間に自由意思はあるのか?/人間をどのように捉えるか | | |
| 2 犯罪者の処遇を考える | | |
| 処遇論とは何か/拘禁刑創設の意義/自由刑純化論とは/現在の処遇の考え方/処遇の今後のあり方/社会的包摂としての処遇 | | |
| 第4章 量刑論の世界 | | |
| 1 刑をどの程度に科すのかという問題 | | |
| 「懲役10年の刑に処する」/量刑評議とは/量刑の目的とは/現在の支配的な考え方/量刑検索システム/寝屋川幼児虐待死事件が提起した問題 | | |
| 2 量刑は具体的にどのように判断するのか | | |
| 被告人側の事情/コミュニティ・社会側の事情/被害者側の事情/実刑と執行猶予を分ける基準/死刑が求刑されるとき | | |
| 第5章 刑法学の新しい世界 | | |
| 1 「犯罪と刑罰」の新しい考え方 | | |
| 刑罰は誰に宛てられたものか/被害者の地位/被害者遺族の感情と死刑/被害者感情と被害者保護/応報感情は損害回復によって充足されなければならない/修復的司法は関係の回復をめざすシステム/修復的司法が問う視点/国ではなく被害者に対して負う責任/外国における修復的司法の実践/日本における修復的司法の可能性/修復的司法の限界 | | |
| 2 「責任」の新しい考え方 | | |
| 行為とは何か/古くなった古典的意思理論の考え方/新しい考え方の登場/意思とは何か/責任とは何か | | |
| 3 刑法学も変わっていく | | |
| 参考文献 | | |
| あとがき | | |